東京都の「東京ソーラー屋根台帳」(ポテンシャルマップ)を使うと、自宅の屋根が太陽光発電に向いているかを、地図で確かめられます。ただ、色や数値の意味が分かりにくく、「適」と出たらすぐに載せてよいのかは迷うところです。東京都環境局の案内をもとに、表示の見方と、どこまで当てにしてよいかを整理します。
東京ソーラー屋根台帳で分かること
東京ソーラー屋根台帳は、都内の建物ごとに、屋根の傾斜や日陰の影響を考えた太陽光発電への適合度を、地図で確かめられる仕組みです。東京都環境公社が東京都と連携して運営しています。
調べ方は次のとおりです。
- 住所や、区市町村・町名の一覧から、調べたい場所を探す
- 「太陽光発電」と「太陽熱利用」の表示を切り替える
- 地図の表示と、航空写真の表示を切り替える
- 建物をクリックして、その建物の数値を見る
インターネットを使えない場合は、クール・ネット東京の相談室に電話すると、住所から自宅のポテンシャルを案内してもらえます。
小さな建物も調べられます。屋根台帳のページによると、20㎡未満の建物も適合度が表示されるようになっています。
「適」と「条件付き適」の見方
屋根台帳では、建物が色で塗り分けられています。東京都環境局の案内では、それぞれ次の意味です。
- 赤の「適」:設置に適した建物と考えられるもの
- 黄の「条件付き適」:屋根面によって日当たりが良い場合など、設置に適している可能性がある建物と考えられるもの
「条件付き適」は、屋根のどの面に載せるかで、条件のよしあしが分かれる場合を含む表示です。たとえば、日当たりのよい面だけに載せれば向いている、という家もあります。どの面を使えるかは、現地で屋根を見て確かめます。
太陽光発電と太陽熱利用は、表示を切り替えて比べられます。案内では、太陽熱利用システムは太陽光発電より小さい屋根面積でも設置できるとして、双方の適合度を比べて検討するよう勧めています。
建物をクリックすると出る数値
建物をクリックすると、その建物の数値が表示されます。主な項目は次のとおりです。
- 年間予測日射量(日当たりの良さ)
- 設置可能なシステム容量(推定)
- 年間予測発電量
いずれも、屋根の傾斜や日陰の影響を考えて計算した値です。自宅の屋根に、だいたいどのくらいの容量を載せられそうかをつかむのに役立ちます。
表示は理論値で、発電量の約束ではない
屋根台帳の値は、一定の条件でシミュレーションした理論値で、実際の発電量を保証するものではありません。
地図の計算と、実際の屋根の上とでは、条件が違うことがあります。パネルを置けるのは屋根の一部に限られること、隣の家や木の影は季節や時刻で変わること、屋根の傷み具合や補強の要否は地図からは分からないこと、などです。屋根台帳は検討を始めるかどうかの目安として使い、載せるかどうかは屋根を見て決めます。
方角と影の基本も押さえておきます。方位は南向きがもっともよく、ほかの方位にも設置できます。北面は発電出力が少なくなります。また、建物・樹木・電柱・アンテナなどの薄い影でも発電量は下がります。
屋根台帳を見た販売店の訪問への注意
屋根台帳は誰でも見られるので、販売店が屋根台帳を使って訪問販売を行うこともあります。東京都環境局の案内は「ここに注意!」として、次のことを挙げています。
- その場で契約を即決せず、買う意思がない場合は明確に断る
- 売買契約の前に、保険・屋根への防水処理・工事手順などの説明を十分に受ける
- 工事の過程や工事後の状況を写真に撮ってもらうなどして、設置状態を確かめる
- 設置後は、毎月の発電量などを記録して、急な発電量の低下を見つけやすくする
屋根台帳のページでも、その場で契約を即断せず、複数社から見積もりを取り、現地調査による発電量のシミュレーションに基づいて、疑問点の説明を求めるよう呼びかけています。
自宅の表示が人に見えることが気になる場合は、表示を止める方法もあります。屋根台帳のページでは、都民の希望により、各建物の適合度やポテンシャルを非表示にする手続きを受け付けています。手続きの方法は、屋根台帳のページで確かめられます。
現地調査で確かめること
屋根台帳で「適」や「条件付き適」と出たら、次は現地で確かめる番です。
- どの面に、何枚のパネルを置けるか
- 季節と時刻による、隣の家や木の影
- 屋根材の種類と傷み具合、補強が要るか
- パワーコンディショナを置く場所と、分電盤までの配線
屋根の形・方角・影の考え方は住宅用太陽光発電の屋根の条件でまとめています。屋根台帳の結果を見ながらのご相談も、お問い合わせから受け付けています。
