屋根に載せる太陽光の容量(kW)は、大きければよいとは限りません。屋根の広さと重さ、方角と影、家で使う電気の量、補助の算定のしかたで、その家に合った容量が決まります。公的な資料の目安を使って、容量の決め方を順に見ていきます。
容量は、パネルの枚数で決まる
太陽光の容量(kW)は、パネルごとの出力と、載せる枚数で決まります。同じ屋根でも、パネルの大きさや出力が違えば、載せられる容量は変わります。
もう一つ見ておきたいのが、パワーコンディショナ(パワコン)です。東京都の助成では、出力(kW)を「モジュールの公称最大出力×枚数」と「パワーコンディショナの定格出力」の小さいほうで数えます。パネルを増やしても、パワコンの出力が小さいままだと、助成の算定に使う出力は増えません。容量は、パネルとパワコンの組み合わせで考えます。
屋根の面積と重さ
太陽光発電協会によると、屋根に設置する場合、4kWのシステムでモジュールの設置面積は約25〜40㎡、重さは架台などを含めて400〜550kg程度です。
屋根のどこに、何枚置けるかは、屋根の形と寸法を現地で測って決めます。住宅の屋根であれば、工法を選べば設置できます。ただし家の状況によっては、屋根や躯体の補強が必要な場合や、設置できない場合があります。容量を増やすほど重さも増えるので、屋根の状態とあわせて考えます。
方角と影で、1kWあたりの発電量が変わる
方位は南向きがもっともよく、ほかの方位にも設置できます。北面は発電出力が少なくなり、条件によっては反射光が近隣に影響する可能性が高くなります。パネルに影がかかると、建物・樹木・電柱・アンテナなどの薄い影でも発電量は下がります。
南の面が小さい家では、東や西の面も使って容量を増やすか、南の面に絞るかを考えます。条件のよくない面にまで広げると、容量は増えても、1kWあたりの発電量は下がります。容量の数字だけでなく、どの面に載せるかで比べます。屋根の形・方角・影の考え方は住宅用太陽光発電の屋根の条件でまとめています。
電気の使い方から考える
太陽光発電協会の計算例では、設置容量1kWあたりの年間発電量を約1,000kWhとすると、4kWのシステムで年間4,000kWh程度です(真南・傾斜30度の場合。地域・方位・角度で変わります)。
この目安を、家で使う電気の量と見比べると、容量の見当がつきます。ただし、太陽光は夜には発電しないため、家庭で使う電気のすべてをまかなうことはできません。昼につくった電気をどれだけ家で使えるかで、容量を増やしたときの効果が変わります。家で使う電気の量は、毎月の電気料金の明細で確かめられます。
10kW未満の太陽光では、昼に発電した電気はまず家庭で使い、余った電気を電力会社に売ります。容量を大きくするほど、昼に余って売る電気が増えます。2026年度の住宅用の買取価格は、最初の4年間が1kWhあたり24円、5〜10年目が8.3円なので、売る電気の多い家ほど、5年目からの単価の下がり方の影響を受けます。容量を決めるときは、家で使い切れる量と、売る量の両方を見ておきます。
補助の算定と容量
東京都の助成は、容量(kW)に単価をかけて算定します。2026年度の単価は次のとおりです。
- 既存住宅:3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)、3.75kW超は12万円/kW
- 新築住宅(住宅の建築と同時に設置):3.6kW以下は12万円/kW(上限36万円)、3.6kW超は10万円/kW
いずれも、太陽光発電システムの助成対象経費(税抜)の合計が上限で、1,000円未満は切り捨てです。一方、練馬区の補助は、太陽光の出力(kW)にかかわらず定額8万円です。
単価の区切りには、気をつけたい点があります。既存住宅の3.75kW以下の範囲では、助成額が上限の45万円に届くと、そこから容量を少し増やしても助成額は増えません。3.75kWを超えると、出力の全体に12万円/kWをかけて算定します。区切りの前後で助成額がどう変わるかは、容量を何通りか入れて比べると分かりやすくなります。
容量が大きいほど都の助成額は増えますが、設置の費用も増えます。補助は費用の一部を支えるものなので、容量は屋根と電気の使い方を先に考え、補助はそのあとで当てはめます。補助の額は、補助金のシミュレーションに容量を入れて確かめられます。
練馬区で導入された容量の目安
練馬区の補助で区民等が導入した太陽光発電設備の容量は、令和4年度の平均で約4kWでした。ほかの家の平均は目安の一つにはなりますが、屋根の広さと家族の暮らし方によって、合った容量は家ごとに違います。
容量を決める順番
- 屋根の面積・形・方角・影を現地で確かめ、載せられる容量の上限を知る
- 毎月の電気料金の明細から、家で使う電気の量と、昼に使える量を見込む
- パネルとパワコンの組み合わせを決める
- 補助の算定に当てはめ、費用と見比べる
費用の決まり方は練馬区の太陽光・蓄電池の費用でまとめています。屋根を見たうえでの容量のご相談はお問い合わせから受け付けています。
