台風が近づくたびに、屋根の太陽光パネルが飛ばされないか、心配になる方もいるでしょう。パネルの風への強さには基準があり、取り付け方の確認や、保険・保証でも備えられます。東京都と太陽光発電協会の資料をもとに、台風への備えと、過ぎたあとに確かめることをまとめます。
パネルの風への強さの基準
東京都のQ&Aによると、太陽光パネルの耐風圧はJIS規格で定められていて、風速に換算すると毎秒62mに耐えうる設計です。
ただし、これはパネルそのものの強さの基準です。屋根の上でパネルを支えるのは、架台と、架台を屋根に留める金具です。パネルが丈夫でも、取り付けが屋根に合っていなければ、その強さは生かせません。住宅の屋根であれば、工法を選べば設置できますが、家の状況によっては、屋根や躯体の補強が必要な場合もあります。
契約の前に聞いておきたいこと
風への備えは、設置の前から始まっています。東京都環境局の東京ソーラー屋根台帳の案内では、売買契約の前に、保険・屋根への防水処理・工事手順などの説明を十分に受けること、工事の過程や工事後の状況を写真に撮ってもらうなどして、設置状態を確かめることを呼びかけています。
たとえば、次のことを聞いておくと、取り付けの考え方が分かります。
- 屋根材に合った取り付け方か、金具をどこに留めるか
- 屋根に穴を開ける場合、防水の処理をどうするか
- 工事の途中と、終わったあとの写真をもらえるか
台風のあとに確かめること
台風が過ぎたら、まず地上から屋根を見て、パネルのずれや割れ、部品の外れがないかを確かめます。屋根に登るのは危ないので、自分では登りません。
あわせて、発電の様子も確かめます。太陽光発電協会は、日常点検として、順調に発電しているか、可能な範囲で機器の外観の異常や異音・異臭がないかを確かめるよう勧めています。台風のあとに発電量が目に見えて少ない、パワーコンディショナの表示がいつもと違う、といったときは、設置した会社に連絡します。
東京都のQ&Aでは、1か月の発電電力量が前年の同じ月より25%程度下がっている場合は、不具合の可能性があるため、メーカーなどに相談するよう案内しています。月ごとの発電量を記録しておくと、台風のあとの変化にも気づきやすくなります。
壊れたパネルには近づかない
台風では、強い風とあわせて大雨の被害が出ることもあります。太陽光発電協会の案内(2018年7月9日)によると、水害で被害を受けた太陽電池パネルは絶縁不良となっている可能性があり、接触すると感電するおそれがあるので、触れないようにします。
また、複数のパネルがつながったまま飛ばされたり流されたりした場合は、日射を受けて発電し、高い電圧・電流が発生します。関係者以外が不用意に近づかないようにする対策が必要です。被害への対処は、50kW未満の設備なら販売施工事業者に連絡します。家の太陽光なら、設置した会社に連絡するのが基本です。
火災保険の扱い
東京都のQ&Aによると、太陽光パネルを設置した住宅も火災保険に入れます。新築住宅の屋根に設置したパネルは、建物の付属設備として一般的に火災保険(建物)の補償対象に含まれます。火災保険の契約後に取り付けた場合は、建物の評価額が変わるため、契約の見直しが必要になる場合があります。
風の被害にどこまで備えられるかは、保険の契約内容によって違います。既存住宅にあとから載せたときは、加入している保険会社に、パネルを載せたことを伝えて、補償の範囲を確かめておきます。
メーカーの保証の範囲
東京都のQ&Aによると、各パネルメーカーは、万が一の故障に備えて、10年程度の機器保証、20年程度の出力保証を、無償または有償で行っています(内容は各メーカーで異なります)。
保証で何が対象になり、何が対象外かは、メーカーと保証の種類で違います。自然災害で壊れた場合の扱いも含めて、契約の前に保証書の内容を確かめておきます。
定期点検との関係
強い風を受けたあとに限らず、取り付けの状態は定期点検で確かめられます。戸建住宅などの太陽光(50kW未満・低圧連系)の定期点検は4年に1回以上とされ、設置後1年目、その後は4年に1度が推奨されています。点検の頻度や、自分でできる確認は住宅用太陽光のメンテナンスでまとめています。
台風への備えのまとめ
- パネルの耐風圧は、風速に換算して毎秒62mに耐えうる設計(東京都のQ&A)
- 取り付け方と防水の処理を、契約の前に聞いておく
- 台風のあとは地上から確かめ、屋根には登らない
- 壊れたパネルや飛ばされたパネルには近づかず、設置した会社に連絡する
- 火災保険にパネルを載せたことを伝え、保証書の対象を確かめておく
点検と保証を含む使い方の全体は住宅用太陽光発電の寿命とメンテナンスでまとめています。設置を考えている方のご相談はお問い合わせから受け付けています。
