太陽光や蓄電池の見積書・カタログには、kW と kWh という2つの単位が出てきます。名前が似ていて混同しやすいのですが、表しているものは違います。太陽光発電協会の説明をもとに、2つの違いと、見積書の数字の読み方を整理します。
kW は「電力」、kWh は「電力量」
太陽光発電協会によると、kW は電力の単位、kWh は電力量の単位です。1kWの電力を1時間使用した場合の電力量が1kWhで、たとえば4kWの発電を5時間続けた場合は、4×5=20kWhの発電電力量になります。
言いかえると、kW は「その瞬間にどれだけの勢いで電気をつくる(使う)か」、kWh は「ある時間のあいだに、どれだけの量の電気をつくった(使った)か」です。水にたとえると、前者は蛇口から出る水の勢い、後者はたまった水の量にあたります。
容量と、年間の発電量
「4kWのシステム」というときの数字は、パネルの容量(出力)です。その設備が年間にどれだけ発電するかは、電力量の単位で表します。
太陽光発電協会の計算例では、設置容量1kWあたりの年間発電量を約1,000kWhとすると、4kWのシステムで年間4,000kWh程度です(真南・傾斜30度の場合。地域・方位・角度で変わります)。容量が同じでも、屋根の方角や影で発電量は変わるので、見積書では、容量と発電量の見込みの両方を見ます。
屋根の広さとの関係もあります。太陽光発電協会によると、屋根に設置する場合、4kWのシステムでモジュールの設置面積は約25〜40㎡です。
電気料金と売電は「電力量」で数える
電気料金と売電の単価は、どちらも「1kWhあたり」で決まります。
- 売電:2026年度に国が定めた住宅用(10kW未満)の買取価格は、最初の4年間が1kWhあたり24円、5〜10年目が8.3円
- 再エネ賦課金:2026年度は1kWhあたり4.18円で、使った電気の量(kWh)に応じて電気料金にかかる
毎月の電気料金の明細にある使用量も、電力量の数字です。家の電気をどれだけまかなえるかは、明細の使用量と、発電量の見込みを見比べて考えます。
補助の算定に使う単位
補助の数字にも、2つの単位が出てきます。
- 東京都の太陽光の助成:容量(kW)あたりの単価で算定(既存住宅で3.75kW以下は15万円/kW、上限45万円)
- 東京都の蓄電池の助成:蓄電容量(kWh)あたりの単価で算定(1kWhあたり10万円、DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)
太陽光の助成では、出力(kW)を「モジュールの公称最大出力×枚数」と「パワーコンディショナの定格出力」の小さいほうで数えます。パネルの合計の容量だけでなく、パワコンの出力も見ておきます。
蓄電池の「容量」と「出力」
蓄電池にも、2つの単位の数字があります。電力量の数字は、ためておける電気の量です。電力の数字は、一度に取り出せる電気の大きさです。
ためておける量が大きくても、一度に出せる電力が小さければ、たくさんの家電を同時には動かせません。停電のときに使いたい家電がある場合は、どちらの数字も確かめます。容量の決め方は家庭用蓄電池の容量の考え方でまとめています。
「1kWあたり」の数字の見方
資料には、「1kWあたり」で表した数字がよく出てきます。年間発電量の目安、東京都の助成の単価、国の資料にあるシステム費用などです。
この数字に容量をかけると、全体の数字になります。たとえば年間発電量の目安なら、1kWあたり約1,000kWhの設備を4kW載せると、年間4,000kWh程度です。見積もりやカタログを比べるときは、全体の数字どうしか、「1kWあたり」の数字どうしかをそろえてから比べます。容量の違う見積もりを、全体の金額だけで比べると、どちらが割安かを取り違えることがあります。
停電時の「最大1.5kW」も電力の数字
太陽光発電協会によると、停電時の自立運転機能で使える電力は最大1.5kWで、日射量によって変わります。これは、一度に使える電力の上限です。停電のときは、使う家電の消費電力の合計が、この上限を超えないようにします。
見積書で数字を確かめるときの注意
- 容量は、パネルの合計か、パワコンの定格出力か
- 発電量の見込みは、屋根の方角・角度・影を見て出したものか
- 蓄電池は、ためられる量と、一度に出せる電力の両方
- 単価の「円/kW」と「円/kWh」を取り違えていないか
発電量の考え方は住宅用太陽光発電の発電量の考え方でまとめています。見積書の数字の読み方で迷ったときは、お問い合わせからご相談ください。
